〔九蹴日記〕鹿児島:鹿児島が誇る「ゴラッソメーカー」。J3優勝へ突き進め!〔五領淳樹選手〕

  • 見る者を魅了するドリブルと圧巻の「ゴラッソ」でサポーターを虜にする五領淳樹選手。チームを思う気持ちも人一倍強い。

五領淳樹、見せつけろゴラッソ!
鹿児島ユナイテッドFC、五領淳樹選手を鼓舞するチャント(応援歌)の歌詞だ。
このチャントとともに繰り出されるインパクト抜群の振り付けも相まって、サポーターの間で特に人気のあるチャントの一つとなっている。

「盛り上がってくれたりとか、それで名前を憶えてもらえたりとかもあるんで、ありがたい事なんですけど、一つ怖いのは、元になってるバンビーノさんが最近テレビで見かけなくなったので、それとともに僕もちょっと不安を感じてるっていうのもあるんですけど(笑)。それをかき消すくらい僕が活躍すれば、たぶんもっともっとチャントっていうのがみんなが楽しみながらやってもらえると思うので、そういう責任感みたいなものを感じてます」と語るのは、その五領淳樹選手。
これまでの自身のプレーについては、「今シーズン、テツさん(浅野哲也監督)が守備を重視しているというか、サイドの選手もすごい守備を求めてるんで、そこは意識しながらやってるんですけど、それプラス、自分の中ではアシスト、ゴールっていう結果を求めてる中で、まだ2ゴールだし、アシストもまだ全然少ないんで、まだ全然満足してないっていう状態です」と厳しい評価だ。それでも、ここまでのリーグ戦では数々の好機を演出し、ゴールに直結するプレーを生み出し続けている。
その五領選手のチャントの中にある「ゴラッソ」とは、スペイン語のスラングで「素晴らしいゴール」という意味があるのだが、五領選手の決めるゴールはどれもがまさに「ゴラッソ」と言えるような、印象に残るゴールばかりだ。

今シーズン決めている2ゴールも、もちろんゴラッソと言っていいだろう。そんな2つの得点シーンについて、五領選手ご自身に解説して頂いた。

1点目:5月8日のアウェイ・盛岡戦。コーナーキックに合わせてダイレクトボレーを叩き込んだ「ゴラッソ」

「こういうのはセットプレーの練習で何回も何回もやって臨むんですけど、練習の時全然入らなかった形だったんですけど、本番で見事に綺麗に入ってホッとしました。(井上)渉くんのボールが素晴らしかったですね。僕がフリーな形を作ってる中の選手っていうのもただ突っ立ってるだけじゃなくて、相手をブロックして、僕のところにボールを来させてるっていうのもあるんで、単純にキッカーと決めた僕だけのプレーではないですね。本当に全員の力が集まってできたゴールだったと思いますね」

2点目:7月10日のアウェイ・福島戦。ゴール正面のフリーキックを直接決めた「ゴラッソ」

「これに関しては、最初僕じゃなくて(赤尾)公くんがこの壁の上を越して狙うっていう話をしてたんですけど、壁が出来上がった時にキーパーの立ち位置がど真ん中にいたんですよね。普通だったら壁を右寄りにやってるんで、キーパーはちょっと左に立つんですよ。僕からしたらそれが嫌だから公くんに壁越えでっていう風に話してたんですけど、キーパーの立ち位置が真ん中で左のスペースがすごい見えたんで、直接僕が蹴りますって公くんに伝えて、後はコースは良いところにいったんで。逆に誘われてんのかなと思ったんですけど、こんだけ空いてれば低くても上でも、速いボール放ればたぶん届かないだろうなと思って。そしたら入ったんですけど。フリーキックてキーパーとの駆け引きがあると思うんですけど、これに関してはあんまり駆け引きがなかったなと、空いてるところに蹴ったっていう感じですね」


どちらの得点シーンについても謙遜に解説してくれた五領選手だったが、これらを決めきれるところに五領選手のスキルの高さと、集中力、精神力の強さが垣間見える。
そんなゴラッソの印象が強い五領選手だが、チャンスを作り出す能力も非常に高い。特に、ドリブルの切れ味はJ3でも屈指と言ってもいいのではないだろうか。J3参入後もそのドリブルから多くの得点機を作り出しており、五領選手からの仕掛けは鹿児島の重要な攻撃パターンになっている。

「ドリブルは基本ずっと好きだったんで、そこは自分の見せ場とは思ってるんですけど、昔はただただボールを受けたら仕掛けていくっていうイメージしか持ってなかったんですけど、けっこう年重ねてきて、周りを見ながら、周りを使う時は使う、ドリブルで仕掛ける時は仕掛けるっていうタイミングっていうのを、まだ全然完全じゃないですけど、少しずつ掴めてきてる部分があります。でもまだ『仕掛けとけば良かったな』とか、映像見て思うこともありますし、まだまだ足りないなとは思います」

キャリアを重ねる中でテクニック、状況判断ともに磨きをかけている五領選手。すでにかなりのレベルにあるとは思うが、それでも「『完成しました』みたいな感じじゃ先がないんで、まだまだ伸びしろがあります」と、さらなる成長を誓う。来シーズンには、これまで以上に成長した姿を見せてくれることだろう。

もちろん、選手個人としての成長だけでなく、チーム全体のレベルアップにも目を向けている五領選手。その中でも特に大切なのは、チーム全員が思いを一つにすることと、最後までハードワークし続けることだという。 「全体がまとまって守備して攻撃してっていう形ができているときは本当に負ける気のしない試合展開で、絶対勝てるっていう思いがあるんですけど、それがちょっとでも、ひとりでもその思いが欠けてズレだすと相手に付け込まれるというか、それで落としてしまっている試合も何試合かあるので、まだまだ全体的な甘さっていうのもあるのかなと思いますし、一人一人が目の前の相手に負けなければ、試合にも負けることはないと思うんで、そこの思いがまだちょっと足りないのかなと思います。このチームはやっぱり個の力で打開するっていうタイプではないんで、全体で、みんなが同じ思いでやんないと、やっぱりそこから付け込まれるんで、まだまだ合わせて行かないといけないなと思います」

自陣から相手陣内まで、毎試合のように縦横無尽に駆け抜けている五領選手。いつも限界まで走り続けていることがよく分かるのが、23節のFC東京U-23戦。五領選手は終盤足が攣るまで走り続け、鹿児島のハードワークを体現してみせた。だが、そこに関しても自己評価は厳しい。
「そこは絶対にサボっちゃいけない部分ですし、逆に、こないだのガンバ戦みたいなときに反省の映像で何個か僕が戻り遅れたシーンがあったりしたんですけど、そういうのが出ちゃうとああいう試合になっていまうという。やっぱりサボるっていうことは絶対にできないので、尚且つ攻撃になると、やっぱり自分は攻撃好きなんで、ガンガン行くっていうのがあるんで、それでもこないだみたいに攣ったら、頑張ったから攣ったみたいなのじゃなく、やっぱり攣らずに最後までやりきるっていうのが選手として大事だと思うので、何かしら攣るのには原因があると思うし、そういうのを突き詰めてやっていかないといけないと思います。まだまだっす。迷惑かけちゃったんで。5分くらいですかね。一人足りない時間になっちゃったんで。そういうのは良くないので、なんとか攣らないように、サボるわけじゃなく攣らないように改善していかないといけないなと思います」

思いを一つにして、全員で守り、攻めること。最後まで走りきること、やりきること。チームとしてのまとまりを評価されている鹿児島ではあるが、その点に関してもまだまだ足りない部分はあるのだ。チームとしても、まだ完成されたわけではない。今よりもっと強くなれる。

「僕らは昇格圏内っていうのを目指してますし、やるからには順位もですけど、優勝っていうのを狙える位置にいるんで、もちろんそこ目指してやりますし、もちろんそのために一試合一試合誰もサボらずに最後までがむしゃらにやるっていうのがうちのスタイルだと思うんで、そこをしっかり一試合一試合突き詰めてやっていきたいなと思います」
24節、アウェイ大分戦を控え、こうコメントを残していた五領選手。残念ながら、今シーズンでのJ2昇格という目標は閉ざされてしまったが、優勝の可能性は充分残っている。残り6試合も、エンジン全開のプレーでチームを引っ張ってくれることだろう。

「アウェイで2ゴール決めて、ホームでまだゴール決めれてないんで、しっかりホームでゴールを決めて、五領ダンスをサポーターの方と一緒に早くやれるように頑張りたいと思います!」

そうだ、今年も鴨池の地で見せてほしい。五領選手のゴールと、喜びの五領ダンスを。
そして彼のチャントがスタジアムに響き渡るのだ。

五領淳樹、見せつけろゴラッソ!!

   

   

  • ホームのサポーターの前でゴールを決めたいと語ってくれた五領選手。サポーターもその瞬間を待ち望んでいることだろう。

Reported by 川畑究無



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